展示会什器を製作させていただきました。
鍛鋼部品・非鉄部品の開発・製造・販売の『ティ エフ オー株式会社』様のご依頼で、自動車部品&加工 EXPO「オートモーティブ ワールド 2019」にて部品展示用什器を製作させていただきました。
当社にはデザイン設計部門はないので、通常お客様から図面をいただき、それを元に製作するのですが、今回、製品である鍛鋼部品をお預かりし、見栄えがする様な展示方法を提案してほしい、というご依頼でした。
実際のブースの広さ、展示する部品の点数、分類など詳しく伺った上で提案させていただきました。
『ティ エフ オー株式会社』様は1939年創業の自動車・オートバイ・建設機械・トラックなどの鍛造製品の設計・試作・量産を手がけている会社です。
http://tfo-corp.co.jp/index.html
鉄・アルミニウムのみならず、マグネシウムやステンレスの鍛造を行う、高い技術力を持っておられます。
アルミ鍛造の自動車部品の展示台。
金属部品なので銀色無彩色のため、透明ではなくガラス色を使うことで製品を引き立たせました。
同じくアルミ鍛造のサスペンションアーム部品展示台。
今回はお借りしませんでしたが、同じ形状のマグネシウム鍛造部品を持たせていただいたことがあるのですが、アルミですら見た目の割に軽いのに、マグネシウムはとても金属とは思えない重さでした。
平置きタイプの展示台です。
背面や底面にミラーアクリルを貼り付け、部品の裏側も見える様にしています。
ミラーに写った部品が煩いか心配でしたが、ここでもガラス色アクリルのおかげで、トーンが落ちているので製品の存在感を邪魔することはありませんでした。
実際に部品を載せてみると、部品が宙に浮いている様に見えます。
これらの部品は鉄鍛造部品で、片手では持ち上がらないくらいの結構な重量がありますが 、10mm厚のアクリルを用いているのでしっかり支えています。
オートバイ部品用平置き台です。
10mmガラス色天板の上に、10mmの隙間を開けもう一枚透明5mmアクリル板で天板があります。
オートバイ用鍛造部品を乗せます。
一番手前のシルバーのアンダーステムがアルミニウム、真ん中のガンメタ色のアンダーステムがマグネシウム鍛造です。
重量差は1550gと980gですが、体感的には半分くらいの重さに感じます。凄い!
こちらは異方向穴あけ技術による自動車部品の展示台です
金型の関係上、これまで割型方向でしか開けられなかった穴あけを、任意の方向で穴あけできる様にした技術です。
鍛造後の機械加工による穴あけのコストを大幅に削減できるそうです。
奥にあるのは中空曲げ鍛造工法と呼ばれるもので、開いた形で鍛造されたものを曲げ加工することで、穴あけを不要とする技術だそうです。
アクリルとは関係のない分野ではありますが、モノづくりの発想力は非常に刺激になります。
二輪車用クランクシャフトの展示台です。
オートバイ用の位相クランクを鍛造で成形するクランクツイスト技術の展示台です。
普通に金型で分割すれば下にある様な角度のついていないクランクしか成形できないのですが、特殊な金型分割で上にあるクランクの様に任意の角度で成形可能だそうです。
通常当社では行わないデザイン・設計からのお仕事でしたが、TFO様の高い鍛造技術に関心させられながら非常に刺激的な什器製作となりました。
当社も頑張って技術を磨いていきたいと思います。
ありがとうございました。